519人が本棚に入れています
本棚に追加
『今日居残りなので、お仕事終わったら帰ってて構いませんよ』
気を使って言ってくれた
さっき仕事を終えた
しかし場所は応接室
…つまり勝手に僕が綱吉を待っている
(出来るだけ…)
一緒にいる時間が欲しくて
夏に近付き日はのびている
時刻は6時を回っている
(…遅い)
とうとう待ち切れなくなり、2-Aと向かった
2-Aの教室の前に立つ
明かりはまだついている
中からは二人の声が聞こえる
(綱吉と、山本武…?)
「…は好きな、いんの?」
ガタンッ
山本武の声がした後、椅子が倒れる音がした
すると綱吉の叫ぶ声が聞こえる
一生懸命何かを否定している
「ツナ、俺さ…」
時が止まった気がした
一秒がとても長く感じた
「ツナのこと好きなんだ」
「…ぇ?」
教室の前から足を一本引き、そのままその場から逃げた
理由?
そんなのわからない
(綱吉…!)
ただ、そのあとの綱吉の言葉が怖かった
「山、本…?」
全く今の状況がつかめない
急に好きな人を聞かれ
いると伝えると好きな人は京子ちゃんかと聞かれ
一生懸命否定すれば山本が微笑んで
好きだ、と言われた
(…好き?)
友人として?恋愛対象として?
「…俺は、ツナを恋愛対象として好きなんだ」
心が読まれたかのように言われた
その途端、急に恥ずかしくなり顔を赤らめてしまった
山本は俺の赤くなった頬に軽いキスを落とし、照れたように笑う
「考えてくれな?」
そういっていつの間にか終わっている課題のプリントを渡し、山本は教室を出ていった
「びっくり、した…」
一人になった教室で小さく呟いた
先程まで我慢していたかのように今一気に顔が赤くなったのを感じた
(山本は、イイヤツだし嬉しい…)
けど
(俺が好きなのは)
雲雀さん…
最初のコメントを投稿しよう!