《お嬢さんいらっしゃ~い》

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鶴見 「何興奮してんの? 嘘つき」 今井 「嘘なんかついてません」 鶴見 「さっきも今も嘘ついた(今井を小突く)」 今井 「あっ、殴りましたね?」 鶴見 「殴ってない。ちょっと小突いただけ。こうやって(小突く)」 今井 「あっ、また殴った(鶴見を小突く)」 鶴見 「そっちこそ」 小突き合う二人。 鶴見 「俺に本気を出させたな! (構えて)来い!」 今井 「行きませんよ」 鶴見 「ウリャーッ!」 今井 「やりませんったら。鶴見さん、柔道やってたんでしょ?」 鶴見 「柔道? 俺が?」 今井 「はい、違いました?」 鶴見 「や、やってた」 今井 「そんな人とやり合ったりしませんよ。有段者なんですよね?」 鶴見 「ま、まぁな」 今井 「何段ですか?」 鶴見 「えーと、十三段付近を行ったり来たり」 今井 「付近って何ですか? 行ったり来たりって何ですか?」 鶴見 「だから、十二段とか十四段とか満遍なくって事さ」 今井 「柔道ってそういうものなんですか?」 鶴見 「そういうものなんですか?」 今井 「私が聞いてるんです」 鶴見 「そういうものなんです」 今井 「国体に出場した事あるんですって?」 鶴見 「国体? あ、あぁ、あるよ」 今井 「人は見かけに寄りませんなぁ」 鶴見 「どういう意味? って言うか、管理人さん、なぜ俺が柔道やってた事知ってるの? 言った事ないよね?」 今井 「朝日奈さんから聞きました」 鶴見 「やっぱり」 今井 「何か?」 鶴見 「(オドオドして)いいや、何も」 今井 「何ですか?」 鶴見 「(ドギマギして)何でもないって」 朝日奈リサ(20)、二階から登場。 催眠術の本を持っている。
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