《お嬢さんいらっしゃ~い》

6/32
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
リサ 「あ、居た居た。ちょっと実験台になって貰えます?」 今井 「朝日奈さん、聞いて下さいよ」 リサ 「何? どうかしたんですか?」 今井 「鶴見さんったら、本当は柔道なんか」 鶴見 「(大声で)あー!」 リサ 「(鶴見に)どうしたの?」 鶴見 「別に」 今井 「鶴見さんったら」 鶴見 「(大声で)わー!」 リサ 「(鶴見に)何?」 鶴見 「(階段を指差し)あそこに怪しい人影が」 リサ 「どこ?」 鶴見 「あー、居なくなった」 今井 「どうせ嘘ですよ」 鶴見 「おいおい、聞き捨てならねーなぁ」 今井 「また暴力ですか? 暴力団ですか?」 睨み合う二人。 リサ 「二人共やめなさいよ。いい大人なんだから」 プイっとそっぽを向く二人。 リサ 「(鶴見のカメラを見て)鶴見さん、また撮って来たんだ。やめた方がいいよ、趣味悪い」 今井 「朝日奈さんもそう思います?」 リサ 「うん」 鶴見 「(嬉しい)」 今井 「誰も誉めてませんよ」 リサ 「それはそうと、実験台に」 今井 「ちょっと待って下さい。(テーブルを見て)アレ? アレアレ?」 リサ 「どうしたんですか?」 今井 「(テーブルの)この辺に携帯電話ありませんでした?」 リサ 「え? 管理人さん、ケータイ持ってたっけ?」 今井 「はい、最近購入致しまして。ここで電子メールをしていたのですが、野良猫くわえたお魚がやって来まして、そのお魚を追い掛けてたら……なくなってしまいました」 鶴見 「あんたはサザエさんか?」 今井 「いいえ、私はサザエさんではありません」 鶴見 「分かってるよ。ものの例え! って言うか、お魚くわえた野良猫だろ」
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!