《お嬢さんいらっしゃ~い》

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リサ 「やっぱり泥棒よ!」 美智子 「待って。今のは間違い。泥棒じゃない」 リサ 「ぶっ飛ばす! この人(鶴見)が」 鶴見 「俺?」 リサ 「この人は柔道の達人なんだからね! 鶴見さん、やっておしまい」 鶴見 「いや、それは、その」 美智子 「私達は、本当に怪しい者じゃないから」 リサ 「(鶴見に)何してるの、早く」 鶴見 「分かった。分かったけど、自分のタイミングで行かせて下さい」 リサ 「私、臆病者はキライ」 鶴見 「(リサの前に立ち)君は下がっていたまえ。(安原に)来い、でくの坊!」 安原 「(美智子に)どうします?」 美智子 「しょうがない。脳みそが出ない程度に相手してあげて」 安原 「はい、保証は出来ませんが」 鶴見 「……今、脳みそって言った?」 リサ 「大丈夫だって、脳みその一個や二個」 鶴見 「うん、あいにく脳みそは一個しか持ってない」 美智子 「忠告しておくけど、安原は、空手、ボクシング、柔術、コマンドサンボ、中国拳法、太極拳、剣道、柔道、合気道、書道、華道、そろばん、英検、漢字検定、そして、やってて良かった公文式の名人よ。ちなみに最近は生キャラメル作りに夢中」 リサ 「私なんか、クロワッサン作りが得意なんだからね!」 鶴見 「何を競ってるの? 」 安原 「(鶴見に)どっからでも来い」 鶴見 「あっ、用事思い出しちゃった」 美智子 「昭和の逃げ方」 リサ 「鶴見さん、早くやっつけて!」 鶴見、リサを壁際に寄せる。 鶴見 「(リサに)危ないから、ここで大人しくしてて」 鶴見、安原に歩み寄る。 鶴見 「……(安原に)そこのジェントルメン、ネクタイが曲がってますぜ。(安原のネクタイを直す)」 安原 「柔道の達人。お相手願おうか」 鶴見 「何を仰る。柔道の達人だなんて滅相もございません」
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