《お嬢さんいらっしゃ~い》

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鶴見 「マズイなぁ」 リサ 「何が?」 鶴見 「ううん、別に」 リサ 「あ、そうだ。ちょっと付き合って下さい」 鶴見 「え? いきなりそんな大胆な。でも、朝日奈さんがそう言うなら、構わないぜ」 リサ 「何か勘違いしてません? (催眠術の本を見せて)コレに付き合って欲しいんですけど」 鶴見 「(本を見て)なんだ、催眠術か」 リサ 「実験台になって下さい」 鶴見 「でも俺、催眠術とか信じてないから」 リサ 「あー、怖いんだ。催眠術にかかるのが怖いんだ。ヘタレなんだ」 鶴見 「そんなんじゃないよ。分かった。やるよ、やればいいんだろ」 リサ 「そう。(人差し指を出して)コレを見て」 鶴見 「(リサの人差し指を見る)」 リサ 「あなたの体が段々軽くなる~。軽くなって、フワフワ浮き上がる~。フワフワ~、浮き上がる~」 鶴見 「……」 リサ 「浮き上がる!」 鶴見 「……」 リサ 「浮き上がれ!」 鶴見 「え? 自分でって事ですか?」 リサ 「浮き上がる~。フワフワ~」 鶴見 「(フワフワ浮き上がろうとする)」 リサ 「もっと浮く~」 鶴見 「(もっと浮き上がろうとする)」 リサ 「浮けよ」 鶴見 「これが限界です」 リサ 「いいから浮き上がりなさいよ!」 鶴見 「そんな無茶言われても。そもそも空中浮遊は、催眠術の域を越えてます」 リサ 「ノリ悪っ」 鶴見 「ノリの問題? 出来れば、もっと簡単なヤツにして貰えると助かります」
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