《お嬢さんいらっしゃ~い》

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舞台上暗い。。。 遠くで消防車のサイレンが鳴っている。 携帯電話の着メロ『なごり雪』が鳴り出す。 テーブルに照明が当たる。 と、着信中の携帯電話が一台。 上手側の壁に照明が当たる。 貼り紙が貼ってあり、 『憩いの場での携帯電話の使用は控えめに』 の上に大きく×印が書いてある。 その横に、 『電源は切りましょう! 切らないと後悔する!』 と書かれた貼り紙。 木下龍之介(33)、二階から登場。 テーブル上の携帯電話の電源を切り、貼り紙を見て大きく頷く。 舞台上全体がゆっくり明るくなる。 木下、共同便所に退場。 鈴木美智子(30)、安原五郎(27)、玄関から登場。 全身黒スーツ姿の二人は、辺りをキョロキョロ見回していて、いかにも怪しい。二人共、土足で上がり込む。 美智子 「(安原に指示する)」 安原 「(指示を受け、部屋中を物色)」 『ジャー』と、トイレを流す音。 美智子と安原、とっさに身を屈める。 木下、共同便所から登場。 安原、素早く木下を取り押さえる。 木下 「!」 安原 「大人しくしろ。危害は加えない」 美智子 「(木下に)あなた、ここの住人ね?」 木下 「(しばらく考える)」 美智子 「違うの?」 木下 「(面倒くさい)」 美智子 「何なの?」 安原 「どうなんだ!」 木下 「(そっと安原の手を解いて二階に行こうとする)」 美智子 「ちょっと待ちなさい!」 美智子、写真を取り出し、木下に見せる。 美智子 「その女性知らない?」
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