《お嬢さんいらっしゃ~い》

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木下 「(写真を見て)……(知ってる様な)……(知らない様な)」 美智子 「よく見て! 特徴は、その服装と日傘」 木下 「(知ってる様な、知らない様な)」 美智子 「如月コンツェルンのお嬢様なの。ここに居るはずなのよ。寄りによって、こんな所に……どう? 知ってるんでしょ?」 木下、何も答えずに二階に退場。 美智子 「(唖然)シカト? (安原に)今、シカトされた?」 安原 「はい」 美智子 「行くわよ」 安原 「はい」 美智子と安原、二階に退場。 今井隆史(41)と鶴見浩二(29)、玄関から登場。 鶴見は、使い捨てカメラを持っている。 今井 「(興奮気味に)いやいやいや、あんなに激しいアレはアレですよねぇ」 鶴見 「そうだな」 今井 「昼間っから、あんなに燃え上がっちゃって、アレですよねぇ」 鶴見 「……そうだな」 今井 「それにしてもアレですよね。アレがアレでアレですから。と言う事は、アレは、アレなんですかね?」 鶴見 「管理人さん」 今井 「はい」 鶴見 「全然分かんない」 今井 「そうですかぁ。鶴見さんも分かりませんかぁ」 鶴見 「そうじゃなくて、全然分かんない。アレがアレで、とか」 今井 「何言ってるんですか? アレアレって」 鶴見 「そっちが言ったの!」 今井 「そんな事言ってませんよ」 鶴見 「言ったって」 今井 「そんな事よりも、(鶴見のカメラをみて)またですか?」 鶴見 「何が?」 今井 「ああいう現場を写真に納めるのは、いかがなものでしょうね」 鶴見 「別にコソコソ撮ってる訳じゃないから」 今井 「じゃあ、何ですか? お断りしてから撮ってるとでも?」
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