立石 憲悟

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初出勤の日、悟志は書類に目を通し、ペンを走らせる。   看守という仕事は精神を大きく削られる。 ほとんど机から離れる事も無く、囚人を何処かに移動させる時や見回りの時だけは少しの間席を立つぐらいだ。   勤務中は休憩は無く、用を足す事も許されない。   それだけ厳重な体制を敷いているという事なのだろうが、まだ新任の悟志にとっては辛いものがあった。   悟志は早くも出てきそうな苛立ちを噛み殺しながら、ペンを走らせた。   「もう見回りか。」   悟志は時計を見るとペンを起き、両手足を伸ばした。 椅子から立ち上がり、足をできるだけ早く動かしながら囚人がいる部屋目掛けて歩き出した。
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