立石 憲悟

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立石は悟志に近付いて、口を開いた。   「あんた、新入りか?」   「なぜ分かる?」   悟志は突然の発言に怪訝そうな顔をする。   「この刑務所には看守なんかごまんといるはずだぞ?」   男は悟志をしばらく見ると、答えた。 「話し方が新鮮なとこかな。」   「話し方?」   「そう、今まで俺が見てきた奴等は機械みたいな奴等でさ、あんたみたいに俺の話に入って来る事は無かった。」   一度もね、と男は付け足した。   「だから嬉しいよ、看守の話し相手ができて。」   そういうと男は笑った。  
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