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第3話「衝突、『鳳凰隊』Vs『形無きもの』」
――ドオオオォォォン!!
「おいおい、派手な到着だな……」
時計は深夜2時。近隣住民の安息だけは考えて欲しい。
「早く宝石を守ってくれえええ!!」
「落ち着いてください、第一ここにいない奴を捕まえられるわけが……」
――ドオオオォォン!!!!
「って、早いな……おい」
一瞬前まで壁だった部分がぽっかりと穴を開けている。そしてそこからいかにもそれらしい柄の悪い男達が入ってくる。
「動くんじゃねえ!!」
「命が惜しけりゃ大人しく宝石を渡しやがれ!!」
「うるせえよ。つか強盗か、お前らは?」
両手の手袋をはずしてソファーから立ち上がる。コラセス氏はガラスケースを抱えている。
……仕方がないのでガラスケース(コラセス氏が張りついている)と盗賊の間に立つ。
「て、てめえが鳳凰の……」
「ああ、一応部下であり……弟子だ」
「やっちまえ!!」
男たちがナイフや斧を持って突撃してくる。
「俺をそこまで知っていて向かってくるか……ザコが」
一瞬、斧を持った男のみぞおちに拳を叩き込む。
二瞬、よろけた男を後ろに突き飛ばす。
三瞬、数人を男が巻き込む。
四瞬、男をよけようとしたナイフの男の足を払う。
五瞬、ちょうど男が倒れてきたのでよけ、後ろにいた奴の顔面に蹴りを入れる。全員行動不能。
「やれやれ……」
目の前には八人の男達が地面に突っ伏していた。
「お、終わったのかね?」
後ろではガラスケースと一体化したコラセス氏。
「まあ、一応。しかし外の連中は何でこんなザコまで……」
「私が始末したからだよ……」
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