第4話「詠唱者と盗賊」

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今までとは比べ物にならない光が部屋を支配する。 「これは……!!」 「正義の戒めを、その光の鎖に変えて」 「ぐ、くそっ!!」 男が攻撃しようとするが光で目が眩んでいるのだろう、こちらに武器を向けることもできない。 「『封縛殺・運命の鎖錠』」 部屋に充満していた光すべてが鎖となって二人を束縛した。 そして一層強大な光を放つと……鎖は消えた。 流石に膝をつく。能力を少し使いすぎで頭がくらくらする。 「ふん、失敗のようだな」 自分の手足に鎖が無いことを確認すると男はせせら笑った。 「愚者よ、切り裂かれ物言えぬ塵となれ 『斬撃・五月雨の血』」 ……黒い刃は、現れなかった。 「無駄だ……もう、お前らに能力は使えない」 ――さっきのが俺の上級技、他者の能力使用を封印する光の鎖。 「まずいです……引き上げます」 「いえ……あなただけは次期頭目の座のために、死ね」 青竜刀で少女に切りかかる男。少女は目を丸くしていた。 「させるか、バカ」 男の体から光の鎖が現れると男の体を束縛した。 「ぐ、おのれ」 「さて……と」 まだ、仲間……と思っていた奴の行動についていけない少女の手を軽くとった。 「あ……」 「盗賊団『形無きもの』次期頭目『テシア』……『帝国警備対特別能力部隊』の名の元に身柄を拘束させてもらう」 こうして、一夜の盗賊騒ぎは幕を閉じた。あー、もうだるい。
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