星空は贈り物

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雨の日は…嫌いだ…。 2年前を思い出すから…。 どうして何もできなかったんだろう? どうして逝ってしまったんだ…『柳』 俺の名前は斉藤拓磨。 2年前というのは、俺の大好きな人が亡くなってしまった日。 今からその事を話そうと思う。 ー2年前ー 高校1年の春。 かったるい入学式も終わり、1年は皆教室へと入った。 教室に入った途端、入学式の緊張がとけたのか急に騒がしくなり始めた。 同じ中学だった子と話してるヤツもいれば、新しい友達を作るのに夢中な人…。 いろんな人がいた。 教室を見渡すと隅の方に女の子2人だけで話しているのが目にとまった。 その2人は日向井柳と朝岡みちるといい中学が同じだった。 2人はとても仲が良く、楽しそうに笑っていた。 そんな光景を見ていると、風馬が横から声をかけてきた。 「なぁ拓磨、柳とみちるの所行こうぜ」 「あぁ、そうするか」 2人だけで話すのに飽きてきたので、俺達は柳とみちるの所へ向かった。 「2人で何話してんの?」 「別に。あんた達には関係ないでしょ」 「何だよ。つめてーな。教えてくれたっていいじゃんかよ」 風馬とみちるはいつもこんな感じで仲が良い。 俺もみちるとは仲が良いけど、柳と話す時は恥ずかしくて戸惑ってしまう。 何を話したらいいのか分からなくなってしまう…。 俺の気持ちを察して分かっている人もいると思うけど、俺は柳の事が好きだ。 しかも中学の時からずっと…。 そんな事を考えながら柳を見た。 なんだか柳の顔色が悪いように思えた。 「柳、顔色悪いけどどうした?具合悪い?」 「どこも悪くないよ。拓磨心配してくれてるの?」 「それはそうだろ。心配だけど…」 「本当に大丈夫。ありがとう」 柳がそう言うので、俺もその時は心配しなかった。 でも、後にこの心配は大きくなっていった。 .
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