prologue 1. カンノの話

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彼の名はカンノという。 生まれながらに深紅の眼を持っていた。その様故に兄姉から疎まれ、親に捨てられた。 まだ、独りでは立ち上がることもできなかった幼い彼を拾ったのは、老いた盗賊。盗賊は彼に屋根と食事、そして名を与えた。彼はカンノとして生を得た時点から、すでに盗賊であった。 必要なものは必要なだけ奪う。それ以外の生き方は知らない---。 いつしか、彼は彼以外の誰からも、『ピカロ』、美しい悪魔と呼ばれた。
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