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尚も走り続ける。
前にいる残りの敵は二人…後ろには三人いる。
「!?チィッ!」
残りの敵が残り一人となってしまった。
それは、死んでしまったとか逃げ出したとかではなく…
「あの野郎…そんなにもその女の方が大事かよ!!」
ムカつく!!
もう一人の男は、奥で座り込んでいた女の子を無理矢理立たせてヘリへと向かおうとしている。
ただ、女の子の方が立ったまま動かずにずっと俺の方を見ている。
と、そっちにばかり気がいっていると突っ込んできていた男が短槍を投擲してきた。
俺の顔面に向けて宙を鋭く飛行する短槍は、もう目の前にまで来ている。
「こんなの!!」
走っている勢いを利用して、スライディングの要領で短槍を避ける。
頭上すれすれを、俺の黒髪を掠めながら通り過ぎていく。
「余裕だっての!!」
スライディングからまた、走りだして短槍を投げてきた男に接近する。
「ヒッ!?コノォ!!」
武器が無くなって慌てふためいた結果、ありきたりに拳を打ってきた。
「そんなもん!!」
殴りにきた相手の拳を右手で払い、ガードがら空きになった相手の腹に左手の銃で撃ち込む。
「グアッ!!……」
男は、力無く右に傾いて倒れる。
もちろん殺しちゃいない、あくまでも気絶させているだけだ。
「さて、と!」
地面に倒れた相手を跨いで、残る一人に向けて走る。
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