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女の子と多少の距離があるため、何か話すためにも俺が歩いて女の子の元へと歩く。
女の子の前にまで来て、一度女の子の全体を見てみる。
…やっぱりだ。なぜこんなところにこんな女がいる?
どっかのお嬢様ならこんな荒野のド真ん中の使われなくなった小屋から出てくる筈がない。
それに、たとえこんなお嬢様が荒野に何らかのの理由で来ていたとしても大抵は護衛役として誰かがいる筈だろ。
なのに、味方の護衛役どころか敵に拉致されているとは…
…コイツ、なにもんだ?
「お前、一体…」
正体を尋ねようとした時…
「あ…」
女の子が何かを見つけたような声を出した。
俺は、女の子の目線の先に何があるか確認するために振り返ってみる…と。
「やっべぇ!!もう汽車来てんんじゃねぇかよ!!」
俺が元歩いていたレールの上を、太陽の光を白いボディで反射している汽車が走っている。
「何でもう来てんだよ!!あと一時間…そんな事言ってる場合じゃねぇ!!」
俺は、女の子の事を忘れて汽車に向けて走り始める。
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