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「…いやさ、起きろとは言ったけど…この展開は…」
ゆっくりと顔だけを左に向けて何があったのか確認してみる。
100mくらい離れた所に、木でできた見た感じもう使われていなさそうな小屋がある。
そこから、全員同じ服装をした男達が5~6人と、明らかに反抗的に暴れている金髪の女の子が一人、ズラズラと出てきた。
その集団が行く先には、護送用のヘリが二機…エンジンを停止してそこに在った。
「…このイベントは、面白くないのでパス…あの女の子には悪いが、社会はそんなに甘く無いって事だな」
気にせず止まっていた足をまた動かしだす。
「イヤですーー!離してくださいー!私は、あなた達とは行きませんーーー!!」
100mも離れているのに、その声を煩く感じてしまう…。
どれだけの大声で叫んでんだ…あの女……うっせぇ。
絶えず左から喚く声が聞こえる…
その声が、関わらないと決めた心を呆気なく上回る程のイラつきを俺に与える。
「…ア~~~~…」
振り切りそうな心のメーターを必死に抑えながら、少しでも紛らわそうと適当に声を発する。
「離してーーーーッ!!!!いい加減離さないと、パパに言いつけちゃいますよッ!!」
…紛れるわけもなく、そして、ついにメーターが振り切れてしまった。
俺は、体ごと方向転換をして、怒りの感情を遠慮なく放ちながらズカズカと集団へと向かって行く。
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