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「……!…み……から……人し……共につ…て来て……い!…共もこ…が……で……で!」
距離が離れているため、男の声が途切れ途切れで聞こえる。
黄色のエネルギー体みたいなのが、女の子の両手を拘束している。
そのエネルギー体は集団の中の一人の男と手と繋がっている。
おそらく、魔法系のウェポン…性質は、電気…この感じじゃあ覚醒者じゃねぇな。
距離をドンドン縮めていき…当然の様に男達に見つかった。
黒を基調としたどこぞの国の兵士を彷彿とさせるような男達…そいつらに捕まっている金髪の女。
「オイ!あんたら、寄ってたかって女一人にこんな大所帯で誘拐か?情けないね~」
露骨にキレ回すのは見苦しいと思い、相手をなじるように言葉を放つ。
「子供がこんなところで何してる!!早く立ち去れ!!」
集団から一人、ゴツい体格の大男が俺の前に腕を組ながら立ち塞がった。
奥で拘束されている女の子は、俺がここにいる事が理解し難いのかキョトンとしている。
明らかに俺を見下している…子供だからって理由だけで…。
…コイツ、ムカつく。
「子供ねぇ…なぁ、あんた何歳だ?」
片眉だけ上げながら質問をする。
「…35歳だ」
男は、俺の質問の意図が掴めないのか少し間が空いてから答える。
…自然に俺の口角が上がる。
「じゃあ今日は記念日だな…」
呟いた後、男が声を出す前に俺の蹴りが男の顎を真正面から捉えた。
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