人集め

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ガラガラガラガラ 貴史が見えると麗子はすぐに聞いた。 「貴史君、人集めどうだった?」 「なんで和島さんが知ってるの?」 「努君に聞いたから。」 貴史は俺を教室の角に呼んだ。 「よけいな事言ってないだろな?」 「内容は言ってないぜ。」 「それでこそ親友だ!」 (コイツは麗子に気があるかもしれない……) 「で、人集めはどうだったんだ?」 貴史はうつむいた。 「それがな…… 日曜の夜に来れるのが二人だけなんだ……」 (そりゃそうだろ……) 「残念だったな。」 「別に普通の知り合いならまだ他にいるし。」 俺と貴史の秘密会議に乱入者が来た。 「ねぇ、私にも詳しく教えてよ。」 「あぁ麗子、貴史がな……」 「ストップ!!俺から言う。 あのね、アンサー……」 「大丈夫よ、参加するから。 だって、夜間外出には保護者が必要でしょ、 私が保護者として参加してあげるわ。」 「何で分かったの……?」 いきなりの麗子の返事は貴史の目を丸くさせた。 「私、耳がいいのよ。」 麗子は得意げに言った。 「よかったな貴史! あと一人でできるぜ!」 「あら、努君も絶対参加よ。 これは学級委員の命令です。」 「まじかよ…… それは反則だぜ。」 そう言いながらも俺は笑っていた
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