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貴史は汗をかかないが、
それに比べて、俺はこれでもかという程に汗をかく。
「お前が羨ましいよ。」
「何が?」
「なんでもない。」
「お前、汗っかきだもんな。」
ゴスッ!!
「新陳代謝が良いって言え!」
「ってぇ~
誰も新陳代謝なんて言葉使わないよ。」
「クスクス、
二人を見てると面白い。」
「まぁね、いつもの事だよ。」
貴史が調子よく答える。
「お前が言うな……」
「ホントに面白いわ。
あっ!先生が来たみたい。」
麗子の言葉を合図にクラスの全員が席に着いた。
「ガラガラガラガラ。
はい、きり~つ。」
担任の金下のお決まりのネタ。
扉を開けるとき擬音をつける。
最初は面白かったが、いい加減飽きてきたんだよな~
「なぁ努、先生のネタ古いよな」
「俺もそれ思ってた。」
俺と貴史は席が隣なので、
暇な時はこうして秘密会議のようにヒソヒソ話をする。
「おいっ!谷垣と佐藤!!」
「は…はいっ!」
俺達は同時に返事をした。
「ちょっと廊下に来い!」
ガララララララ
今度は擬音を使わずに出て行った
「俺達、怒られるかな?」
「だろうね。」
俺はそんな返事をしたが、予想と違う事が廊下で起きた。
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