プロローグ~雨上がりの午後と虹~

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「………やばい。早く行かないと練習が出来んこうなる」 時計を見ながら小走りで音楽室へと向かう。いつもなら歩いて行けばいいのだが今日は無理である。何故ならばこの学校には音楽系の部活が二つもあるからだ。 普段は一日交代で音楽室を利用しているが今回は例外らしい。 「…………音楽系の部活が二つもあるならもう一つ部屋を作ってくれよな」 と毎度そう思い口にしてしまう。ちなみに僕は軽音楽部に所属している。 使っているのはギターだ。初めに言って置くがギターは余り上手くない。 「お~い友弥く~ん」 気のせいだろうか? 背後から僕を呼ぶ女の子の声が聞こえた。………しかも僕のファーストネームで。女の子が!! 僕をファーストネームで呼ぶ異性は一人しかいないがその子ではない。確実にないと言える。 それは置いといて僕は振り向いた。
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