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振り向くとその声の主は息を整えいた。相当走ったのだろうか数分経ってもまだ息遣いが荒い。
「大丈夫………じゃないよな」
「…だ、大、大丈……夫…だよ」
いやいや明らかに大丈夫じゃないだろとつい突っ込みを入れてしまいたい状況だ。
彼女の名は『蓮水 慧香』。僕と同じ軽音楽部の部員である。更に付け加えて言うと僕は蓮水さんのバンドのメンバーである。
「蓮水さん、本当に大丈夫?」
「もう大丈夫だよ。余計な気を回しちゃって………」
「……いえ」
なんでだろうか?別に何もしていないのに気まずい。
とりあえず音楽室に向かわないと………。
「……あの………蓮水さん?」
「何?友弥君?」
「時間があまりないから音楽室に行かないか?」
「う、うん………そうだね。……キャッ!!」
そして僕は蓮水さんの手を掴み音楽室へと小走りで向かった。
「ちょ……ちょっと友弥君!?」
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