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■ ■ ■
ガチャ
「……あり?鍵が掛かってる………」
煩悩退散と心の中で唱えながら向かった保健室。
僕の努力も虚しく保健室には鍵が掛かっていた。蓮水さんは頬を膨らませて僕を見ている。
その視線は痛いが………頬を膨らませている蓮水さんはとても可愛らしい。
「あはは……保健室、鍵が掛かってるね」
「……そ、そうですね……………」
……ありゃ?
蓮水さん、何だか調子良さそうだな……………って!!……まさか………
「………あ、あの……友弥くん?」
「は、はい!!な、な、な、何でしょうか?」
……逃げたい。
この時、僕は蓮水さんに対し恐怖を感じるとともにこの場から立ち去りたいと思った。
蓮水さんはにこやかに笑っているが身体からは僕に対するモノであろうか、どす黒いオーラが出ていた。
「……………」
「…………」
蓮水さんはまた頬を膨らませると僕を無言で見つめている。
「……………」
「……友弥くん!」
「な、何かな蓮水さん?」
「ど、どうして……ここに連れて来たのですか?」
「…そ、それは………」
「話してください!!……も、もう私………ぷんすかです」
「………なっ!」
ぷ、ぷ、ぷんすか。
……どうやら蓮水さんは怒っているようだ。いつも清楚で優しく振る舞う蓮水さんの怒っている姿は新鮮過ぎて可愛かった。
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