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あれこれ順を追って説明をし数十分が経った頃、蓮水さんはようやく納得してくれた。
「ーーーーーーってな訳で今に至るのだが……その…ごめんな」
「……いえ。友弥くん…その……私も…私の方こそごめんなさい」
「えっ!?」
「私も状況がわからず友弥くんに怒ったりして………」
驚いた事に蓮水さんは僕に深々と頭を下げてきた。
悪いのは僕なのにどうして謝るのだろうか?
「は、蓮水さん。……謝らないでくれよ。」
「で、でも……」
蓮水さんは何故か申し訳なさそうに俯いている。
「でも……じゃない。……もうこの話は終わりにしよう?」
終わりにしようとか僕が言えた義理ではないが……このままにする訳にはいかないもんな………
「……はい」
しぶしぶ納得したのか蓮水さんの表情は変わらなかった。
「そんな暗い顔をしないでくれよ蓮水さん………帰りに何か奢るからさ……」
「友弥くん………奢って貰っていいんですか?」
「ああ。もちろん」
「ふふ……じゃあ友弥くんのお言葉に甘えさせて貰いますね」
ようやくいつもの蓮水さんに戻ってくれたようである。
一先ず安心だな。
「……じゃあ改めて音楽室に行こうか」
「そうですね。急がないと部活が終わっちゃいますね」
「………だな」
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