プロローグ~雨上がりの午後と虹~

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ピンポンパンポーン 「1年A組の春日友弥くん至急、職員室に来てください。1年A組の春日友弥くん!!至急、職員室に来てください」 げっ!? この声、高水だ。 高水というのは僕が一番苦手な女教師の一人だ。出来ればこいつとは関わりたくはないが………… 後でどんな嫌味を言ってくるかはわからない。しょうがない……行くか。 「……ごめん蓮水さん。ちょっと職員室に行ってくるよ」 「う、うん……じゃあ先に音楽室に行くね」 「ああ。用が済んだらすぐに向かうから」 僕は手を振りながら蓮水さんを見送った。 ………何故だろう?さっきの蓮水さんの声が弱々しく聞こえた。いや声だけじゃない表情も少し暗かった。 それが頭に引っ掛かったまま僕は魔女(高水)が待つ魔窟へと足を向けた。
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