プロローグ~雨上がりの午後と虹~

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嫌だなぁ~。 職員室に着いた時に思った一言がこれだ。…………まったく高水ごときで怖がるなんて僕もまだまだだな~ ま、それはそうとここで立っているのは時間の無駄だ。 「……はぁ~入るか………失礼します………」 腹を括った僕はドアの取っ手に手を引っ掛けゆっくりドアを開いた。テスト後はいつも騒々しい職員室は何故か静かだった。 「……ん?どうしたんだろ……………」 疑問に思いながら僕は室内を見渡し高水を探す。 いつもならなかなか見つからない高水であるが幸い今日は簡単に見つかったと同時に僕は驚いた。 「……えっ!?……何でだ?」 僕の目に映ったのは由佳子であった。それも学年主任と担任と校長の3人と話をしているようだ。教師達は楽しそうだが由佳子はあまり楽しそうではない。………どうやら由佳子は怒られてはいないようだ。 「ふぅ~一先ず安心だな」 そう思うがこの光景を見続けると益々疑問が深まるばかりだ。 今は高水との用を済ませようと思い僕はそれを見るのを止め、歩き始めた。 さっき見た由佳子の暗い表情が頭から離れなかった。
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