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「………落ち着いた?」
「う、うん……」
あれから少し経った後、僕は蓮水さんの手を引きベンチへと移動した。だいぶ落ち着いた所で僕はすぐそばにある自販機で缶ジュースを買った。
「………ありがと」
「気にするなよ」
蓮水さんに缶ジュースを手渡し、隣に座った。
「……友弥くんは飲まないの?」
「うん。」
「…そうなんだ………。じゃあ……いただきます」
蓮水さんは僕に一礼をすると缶ジュースを開けると一口飲んだ。
「それよりさ……音楽室で何かあったの?」
「………っ!?」
やっぱりな………。
「………どうして?……」
「……えっ!?」
「……どうしてわかったの!?」
それは見てわかるよと言いたい。………でも今の蓮水さんに言える勇気が無かった。
「………」
「………」
どうしたらいいんだ?………どうしたら…………
「あれれ?……春日くんとさっちゃんだ~」
この声は………。
沈黙を破った声の主はゆっくりと近づいてきた。
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