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「--------というわけで明日は半日授業で午後からは下校だ。何か質問はありますか?」
クラスの八割は彼の話を聞かず「早く終われよ」オーラを放っている。もちろん僕もそのオーラを放つ。それを感じたのか彼は自分の手帳を閉じた。
「質問もないことですし……今日はこれで終わります。級長号令」
「起立。気を付け……礼」
「「「ありがとうございました」」」
ダッダッダ
さっきまでオーラを出していた者達は礼が終わると即座に教室を後にしていった。……気がつくと教室には数えれるくらいの人数しか残っていない。
「みんな帰るの早いな~」
「何、呑気な事言ってんだ?」
帰り支度をしている僕の背後から男の声が聞こえた。僕は敢えて振り向かず片付けをしながら声の主に返答した。
「……待たせて悪いのだが今日はお前とは帰れないぞ」
「つれないな~」
「つれなくて悪かったな」
「謝んなよ……部活なんだろ?」
「ああ。」
「頑張れよ」
僕は「おう」と言い、教室を後にした。
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