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「私こういうの大好き♪」
物語の主人公になったみたいで楽しい!
1人でクスっと笑った後、私は上半身を木にへばりつけ、片足だけ塀の上に伸ばした。
…なんとか行けそう。
「フっ…!!」
私は短い片足を塀につけて、覚悟を決めて全身で塀に乗り移る。
グラッ
「キャっ…!!」
しかし勢いが良すぎて前のめりになってバランスを崩してしまった。
が、なんとか手をバタバタ動かし踏ん張ってバランスを立て直す。
「し、死ぬかと思ったあぁ…」
私はホッと胸をなで下ろした。
あれ?
でも…どうやって下に降りたらいいの?
内心冷や汗をかきながら苦笑い。
これってあれよね…。
高い所に登って降りられなくなった猫の気持ち。
うぅ…どうしよ~!!
何か降りる道具は…。
私が辺りを見渡すと、向こうの方にさっきの黒猫が見えた。
「あっ…」
その猫はどんどん小さくなってゆく。
急がなくちゃ…。
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