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「…わぁっ!!!!」
暗闇の中、突然光が見えたかと思うと、何かに押し出されるように放り出された。
「…~ったぁ~」
私はあまりの衝撃に目に涙をためる。
しかしその衝撃の痛みよりも物凄い衝撃が私を襲った。
「…ここ………どこ…?」
腰をさすりながら辺りを見渡す。
私の周りには見渡す限りの木。
どこを見ても木、木、木。
明らかにさっきのところじゃない…よね。
あの穴を抜けたらそこには森林が広がっていました、なんて有り得ない。
私はとりあえず立ち上がり、今の状況を確認する。
真っ暗で、黒猫の声が聞こえて…なんか落ちちゃって…。
で、気付いたら…。
「……本当に来ちゃったんだ…」
どうやら私は本当に違う世界に来てしまったらしい。
違う世界って言っても、今まで私がいた世界と何も変わらない気もする。
「いつまで儂を無視するつもりじゃ」
「わぁっ!!」
声の方を見ると、私をここへ連れてきた張本人…あの黒猫がいた。
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