試衛館

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「…まぁ~ったく…。素直じゃないなぁ~」 総司はそう言うと頭の後ろで両手を組む。 「そう言うな、総司。それが歳の良いところでもある…」 近藤は土方が去っていった方に目を向け、穏やかに微笑んでいた。 「…そうですね」 総司も同じように微笑むと、玄関先に置いてあった傘をぱっと手に取り家を飛び出した。 近藤はフッと微笑みそれを見届けると、部屋の中へと戻っていった。 ―――――――― ―――――― ――― ムカつく~!! 何なのよあの男!! 私は土砂降りの雨の中、肩を上下に揺らしドスドスと街の中を歩いていた。 「ムカつくっ!!!!」 気がつくと街中だということを忘れて大声で叫んでいた。 しかしこの雨のなかではそんな声もかき消されてしまう。 思った以上に響かない自分の声に更にイライラした。 「はぁ…」 つい溜め息がでる。 気付くと先ほど総司と出逢った橋にたどり着いていた。 私は無意識に総司が立っていた場所に立つ。  
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