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「何そんなに拗ねてんですかぁ?土方さんが言った事なら気にしなくて大丈夫ですよ?」
総司は私に視線をあわせようと私の顔を覗き込む。
だけど私はそれを拒むように背中を向ける。
ってゆーか、総司が私のこと『信じてない』って言ったくせに…。
「あんなの土方さんにしてみれば社交辞令ですよ!」
そんな私のことなんかお構いなしに総司は話し続ける。
「あっ!!でも確かに異人が住み着いてるなんて知られちゃ~あんまり良いことはありませんねぇ~」
この人…本当に私を連れ戻しに来たの?
総司は顎に手を置き考える仕草をみせる。
「だったらなおさら私は邪魔でしょ!?」
総司の言葉に少し傷つきながらも、その事を知られたくなくてより一層声を張り上げる。
それでも総司は…
笑ってる…。
「でもそんなこと気にするような人、うちにはいませんよ?」
ポンと頭に重みを感じた。
それが総司の手であることは見なくてもわる。
「さっ、帰りましょっか?」
総司は俯いたままの私の手を優しく拾い上げた。
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