プロローグ

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滋は取引先との接待で泥酔していたが、電車に何とか乗ることができた。 滋が降りる駅は終着駅である。 そこで酔っていた滋は安心してすぐに眠ってしまった… 竜彦は部活のあと友人達とカラオケに行き、いつもより遅い電車に乗ることになった。 竜彦の前では酒クサイ男が眠っていた。 (あ~あ、あんな大人には絶対なりたくねぇな)と思いながら、コンビニで買った週刊誌を読み始めた… 亮太はまだ興奮していた。 一昨日から1人で電車を乗りついでおばあちゃんの家に行っていたのだ。 亮太はまだ10歳で、母親に何度も反対されたが、ついに1人旅行を実現させたのであった。 「お母さんめ~。いつも僕を子供扱いしやがって。今日を僕が1人でなんでも出来る証明にしてやる~」と、亮太は気持が高揚したまま窓の外を見ていた… 奈央と和恵は2人でショッピングを楽しみ、その帰りの電車で盛り上がっていた。 「でもマジ安かったよねぇ。これなんて絶対4000円はするじゃん」 「だよねぇ。ウチなんてこの香水1000円で買ったに」 …と電車の端の席で大きな荷物を持って、どんどんテンションが上がっていた… 幸雄は先週車掌になったばかりであった。 まだ仕事には慣れていなかったが、幼い頃からの夢が叶って楽しい日々を送っていた。 今日も客は仕事帰りのサラリーマンに高校生ぐらいの青年、小学生らしき男の子に女子大生らしき女性が2人だけと少なかったが、それでも幸せいっぱいだった。 3分後にあのアナウンスがあるまでは…
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