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これでも昔よりはかなり真面目になった。中学の時など新聞の必要性さえ分からなかったのだから。
そういえば――昔で思い出した。
「お前なんで俺の初恋のエピソードなんて知ってるんだ? 言ってなかったはずだったが……」
朝の敗北の一連に持ち出された攻撃は、同じクラスの小野寺良子ちゃんに恋をした、中学生時代の初恋のエピソードである。
もちろん実りはしなかった。山ほどの作戦を考えたが、当時シャイだった俺は一度もそれを実行できなかったのである。
「兄さんの日記を読んでたからに決まってるでしょう」
いつの間にか朝食を食べ終わった姫花は、キッチンで洗いものをしながら、何をいまさらといった声音で返事をした。
「……俺見せた覚えないぞ」
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