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顔を合わせることもなく、まるで心の篭ってない会話を繰り広げる。そして、姫花は付け加えるように口を開いた。
「兄さん」
「ん?」
「少しだけ、ほんの少しだけ――かっこよかったです」
「……そうか」
素っ気なく返しつつ、俺は心の中で苦笑した。褒めるのが下手な奴だ。もっとマシな言葉があるだろうに。
けれどそれでも、ホームランの報酬としては、破格だった。
この後、裕二が最終回を抑え、素人チームは野球部に勝利した。
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