完璧な妹

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  「かっくいい!」  ほとんど思考はどこぞのがき大将だった。  というより、新聞を自分のものと主張するのが斬新な発想だった。 「まあ、冗談はこのくらいにして――兄さん、新聞を二誌取るのなんてそんなに珍しいことでもありませんよ」 「なんでだ? 内容が被ったりするだろ」 「内容は確かに同じ事柄が一面のときもありますが、捉え方が違ったりしてそこがまた一興なのです。例えば、朝日新聞は自民党寄りに――」 「いや、そこら辺の詳しいことは説明しなくてもいいから。むしろ説明するな」  政治とかは絡んでくると色々面倒なんだよ。 「もう、兄さんは本当に不真面目です」  姫花は拗ねたように頬を膨らます。 「お前みたいに高一にして新聞を二誌取って達観してる奴はそうそういないよ」
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