本気と書いてマジと読む

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   昼休みとは、学生にとって憩(いこ)いの時間である。  読書をするか、雑談にいそしむか、もしくは運動で汗を流すか。何をするかは、人の自由である。  そう、自由である。規則を破らない程度で、この時間は生徒たちに諸々の勝手振る舞う権利が与えられている。  しかしだ。  何故か、俺は毎日食堂に足を運ばなければならない。  弁当を常、持参しているのにである。  一体全体、どうしてなのだろうか。いや、理由は分かっている。明確、と言っていいぐらいに。  我が妹が、それを強制するからである。  いわく、「家族は一緒に食事を囲むもの」らしい。  その考えは理解できる。些細なことかも知れないが、そういうのが家族の仲を保つ。十分過ぎるぐらいに、大切さは理解している。
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