束縛

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週2回会えれば、幸せだった。それは最初だけだった。 バイトが終わってから、なかなか眠れなかったが、と~すけにメールをしても、返事はなかった。 朝になると電話が来た。彼女の家からの帰りなのだ。 私はバイトの帰りに店長と話したり、音楽を聞いたり、友達に電話したり、いろいろと残りの5日を過ごしたが、私と同じように優しくしているんだと思うと、切なくなった。 彼女がいても良かった。ただ、こんなに優しく愛さないで欲しかった。 と~すけはいつも、 『結鶴ちゃんだからこんなに頑張るんだよ。アイツが会いに来いって言っても行かないし。』 なんて言っていて、私はすっかりと~すけを信じていた。 確かに自転車が壊れた時は歩いて来たり、昼間に時間があると、私の高校付近で待っててくれたりもした。 と~すけは彼女とは週に一回しか会ってなくて、あとは受験勉強したり、友達と会ってると言っていた。
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