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咲太君に家付近まで送ってもらった。
私は店長の誕生日会に行こうと思い、電話をしたが、もう夜遅いからいいよ、と言われ、と~すけに電話をした。
『おかえり。』
と~すけは家の前で待っていた。
『お皿返しに来ただけだよ。…やっぱ煙草の匂いするね。』
『ただいま、ずっと待ってたんだ?…髪、洗おうか?』
咲太君についさっき抱かれたとバレたら困るので、さりげなくお風呂に入る口実が出来て良かった。
と~すけはいつでも私に一生懸命だった。恐らく彼女にも、他の女の子にもそうだと思うが、なかなかこんなに頑張ってくれる人はいない。
彼女じゃないけれど、待っていてくれた。
彼女じゃないけれど、束縛されていた。
いや、きっと自ら束縛を望んでいた。
自由に逃げ出せばいいのに、私はと~すけの籠から飛び立つのをためらっていたのだ。
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