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仄暗い闇に覆われた天が、ゆっくりと朝の日差しを覚え、その細かな閃光が街を徐々に照らしていく。
冷たい灰色の土壁の群れや石畳が、暖かな黄色に染まる。
夢から覚めた町がまるで大きな欠伸をしたかのような鈍い鐘の音が、修道院の高台のてっぺんから何度となく響く。
それを合図に、町の人間達は互いに挨拶を交わし、ある者は仕事に、ある者は家事に、ある者は学校に。
山に囲まれた田舎町【ヒッタリア】は、今日もやわらかな陽射しと活気に包まれながら活動を開始した。
【ヒッタリア】は黄土を練り堅めて造られた長方形の建物群が印象的な町。
その黄色に山の緑が良く映え、朝日を浴びる事によって、より一層その色達は輝きを増すのだ。
皆は自然との調和が成り立ったその姿を、“朝日の街”と呼んで讃えた。
物語はそんな“朝日の街”に一際大きな姿で佇む、修道院から始まる。
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