■邪魔すんな、クズが。

2/2
18人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
  この物語の主人公、ルカ・アルフェンテは深い夢を見ていた。   南国の風に揺れるヤシの木!! キメの細かい柔らかい白い砂浜!! エメラルドグリーンに揺らめく海!! 小麦色に日焼けしたグッドガイ達!! サンシャインを浴びて煌めく、自分の象牙のように白く滑らかな肌!! 着てみたかったセクシーな黒ビキニ!!   そして何より揺れるGカップ!! ヤシの実も羨むGカップ!!   やっと念願が叶った… フフン…この才色兼備のボクに足りなかったものは、そう、この特大のヤシの実(ボインの事)だったのさ!! これでボクは史上最強の傾国の美女!! イケメンの金持ち(政治家・石油王系)を引っ掛けて、ボクによる、ボクの為の、ボクの世界を作ってやんよ… あ、でもハーレムもイイのう… ク、フフ…夢は広がるぜ…   彼女が自分のたわわに実った特大ヤシの実(ボインの事)を鷲掴みにしながら野心に浸っているその後ろに、南国の世界観に不釣り合いな天使の姿。     「あ、妄想の途中にすまないが…」   「邪魔すんな、クズが」   「…」   天使は泣けてきた。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!