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「なぜ拓哉が事故にあったと思うの?」
一つずつ根拠を聞き出そうとした。
「私霊が見えます。今先輩の真後ろに腕組みした拓哉先輩がいます。」
え?オレは耳を疑った。何?霊が見える?拓哉が後ろにいる?
オレの思考は停止した。
「先輩、知ってる事話して下さい。」
由紀が近づいて来る。
だが、オレは放心状態。
由紀がオレの肩を揺らして意識が戻った。
「何の話しだっけ?」
シラを切り通す事にした。
「先輩の魂が宙に浮いている間に拓哉先輩から聞きました。」
未だ何が起こったか理解できなかった。
「先輩だったんですね。拓哉先輩のフリしてたの…」
由紀の言葉にゆっくりと頷いた。
「拓哉先輩からの伝言です。契約期間は2年だそうです。2年経った時真実を全て話して欲しいって言ってました。」
由紀は意味不明なことを口にしたので聞いてみた。
「声も聞けるの」
由紀は笑って
「読唇術です。」
と得意気に答えた。
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