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「今日はもう遅いですので人数分の旅館取りましたのでどうぞ案内します。遠慮なさらず、拓哉のためにこうして集まって、卒業式までして下さり、本当に感謝しています。」
おばさんの申し出を素直に受ける事にした。
みんなには先に行ってもらい、オレと由紀と直美は最後のけじめをつけるべく、拓哉の墓の前に居た。
「ごめん。オレが今まで拓哉のフリしてた」
直美は無言のままだった。
「アイツの頼み、どうしても断れなかった、ごめん」
「ねぇ先輩…アドレスの意味教えてもらえます?」
「拓哉の事故の日と命日だよ。」
「…やっぱり」
「見てもらいたいメールがあるんだ。」
「嫌だ」
「拓哉が残した最後のメール」
「一通だけ保護されて未送信のがあった……オレも見てない、拓哉の本当の気持ち受け止めてあげて欲しい。」
直美は渋々ケータイを見た。
一言書いてあっただけだった。
君に幸あれ
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