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「運命なんだよ。いや、運命なんて良く分からないけど…きっとそうなんだよ。前々からピリア星に行きたいと思っていたし、何か背中を押してくれるきっかけを、ずっと待ってたんだと思う」
出発の意志は揺るがないらしい。
和泉の顔を見て、目を見て、どんな言葉をかけても止められないんだと分かった。
「あのさ。手紙、送るからな」
精一杯強がった一言。
ピリア星は空間転移装置どころか、通信系統の繋がりも薄いって聞いた事がある。
メールも電話も手書きの手紙も、簡単に届くかどうかすら分からないのに。
「ん、楽しみに待ってるね」
明日和泉はいなくなる。
目の前から、この街から、地球から。
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