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「私を殺して頂戴」
と呟いた、彼女の瞳の深刻な美しさは、赤黒く屹立(きつりつ)した僕の粘膜の塊の、その目もあてられぬ醜悪さを、幾分、正当化した様に思った。
僕は頑に硬直した劣情の象徴を、粘液の糸を引く、彼女の身体の中心へと捻込む。
彼女は、恍忽と苦悶をないまぜにした複雑な表情で、はしたなく、優れて煽情的なその声を、僕の耳朶(じだ)に優しく吹きかけた。
互いの首筋に歯を、背中に爪を立てる僕達は、まるで二つの肉体を一つに融和させようともがく、不浄で無知な獣の様に、妖しげな熱と、むせかえる淫靡な臭気とを帯びた。
突き上げる僕の動作に彼女はわなないて、彼女のわななきに耐えきれず、僕はまた突き上げる。
そうした悦楽の連鎖に、二個の触覚神経の塊は、汚らしく、極めて汚らしく蟲いた。
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