セカイの理とオンナの子宮

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「セカイはオンナのナカにあるの」 そう言って彼女は笑う。 真っ白いシーツの海に抱かれたオンナは、まるで聖なる存在のようだ。 「オンナのナカの宮殿には、海と大地があるの」 彼女は、花瓶に活けられた真っ赤な薔薇を一輪手にとり、花弁をちぎってばらまいた。 雪のように、血のように。 「そこには《生》と《死》が同時に存在して、ナニも喪うモノはないの」 それは。 なんと素晴らしく、ツマラナイ事だろう。 「オトコのオレには必要ないな」 求めているのは、こぼれ落ちていくような刹那。 「だからセカイにはオトコとオンナがいるの」 そう言って彼女はまた笑った。
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