1人が本棚に入れています
本棚に追加
歌っている少女。
鳥籠の中の少女。
大切にしたいけれど、同じくらい壊したい。
「私の歌は凶器。こころを乱して、打ち壊す」
今、僕が抱いているこころは、彼女がつくり出した幻想。
鳥籠から出ていくために、彼女が見せた幻覚。
「ねえ、私を壊して。ここから出して」
彼女の願いは僕を揺さぶり、まるで僕が囚われた錯覚に陥る。
「僕が壊れたら、キミはここから出てシアワセになれるの?」
こめかみに銃をあてがいながら、僕は彼女に問いかける。
「わからないわ」
無表情で返す言葉。
嘘も、偽りも、気負いもない。
僕は笑って引き金をひいた。
最初のコメントを投稿しよう!