鳥籠と壊れたこころ

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歌っている少女。 鳥籠の中の少女。 大切にしたいけれど、同じくらい壊したい。 「私の歌は凶器。こころを乱して、打ち壊す」 今、僕が抱いているこころは、彼女がつくり出した幻想。 鳥籠から出ていくために、彼女が見せた幻覚。 「ねえ、私を壊して。ここから出して」 彼女の願いは僕を揺さぶり、まるで僕が囚われた錯覚に陥る。 「僕が壊れたら、キミはここから出てシアワセになれるの?」 こめかみに銃をあてがいながら、僕は彼女に問いかける。 「わからないわ」 無表情で返す言葉。 嘘も、偽りも、気負いもない。 僕は笑って引き金をひいた。
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