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「僕はね、死にたくないんですよ」
そう言って、ガラス玉みたいな感情のこもらない眼をして笑う。
「……1番死に急いでいるくせに、なぜだ?」
冷めた顔で返すと、アイツは苦笑した。
「世界の終わりが見たいんですよ」
「……くだらないな」
綺麗なモノだけ追いかけて、醜いモノを見たがらないくせに、笑わせる。
終末なんて、綺麗かどうかわからないのに。
「すべてを見通せる君には、きっとわからない事ですよ」
やっぱりガラス玉みたいな眼で、アイツは笑った。
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