高校時代

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練習を終えると今度は手入れに入る。 暖かい季節は馬も汗をかくので、体をお湯で濡らし拭いてやる。 その後は爪を磨いたり、体を乾かすために風をあてたり、乾いたタオルで拭いたりする。 コンドルの手入れが終わった僕は、家に帰る事にした。 「またなコンドル、次はもっと高く跳ぼうな。」 「ヒヒィ~ン。」 「そうしてると、あんた達本当に話してるみたいね。」 「何言ってんの?」 「だからあんたとコンドルがよ。」 「僕は今本当にコンドルと喋ってたんだよ。」 「コンドル言葉わかるの?」 「わかるさ。どんな馬だってわかってるよ。表情やしぐさ、声の掛け合いなんかで人と馬だって気持ちは伝わる。」 するとコンドルが顔を擦り寄せて来た、くすぐったいが、コンドルの匂いが鼻に届いて来て何故かとても幸せな気持ちになった。
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