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コンドルとの出会いを果たした僕は高校帰りにコンドルに必ず逢いに行った。
「よっ、元気にしてたか?」
「ヒヒィィ~~ン。」
取り立てて何か話すわけでもないが、そんな一時が馬との信頼関係を作ると僕は思っている。
「また来たのね。」
「まぁね、今日はコンドルに乗るつもりだから。どうした千春?」
そう馬事公苑の彼女の名前は千春で、今は中学三年生。
僕の一つ下だ。
「私も馬を買ったの、北海道でうまれた二歳馬で名前はマリア。」
「本当か!!よかったな。今日乗るんだろ?」
「当たり前じゃない、あんたに負けるわけには行かないから。私もオリンピックを目指すの。」
「なら今日からライバルだな。」
「そうね、………ん?ってことはコンドルでの試合の時はライバルにすら感じてなかったってこと?」
「あっ…いや……そうゆうことじゃなくて、あの時とはまた別の目標だから………。」
痛いところを突かれた。
出会って間もないが、千春は時々こうゆう嫌な言い回しを使ってくる。
「ふ~ん、まぁいいわ。今回は絶対負けないんだから。」
今日は機嫌がいいみたいだ、多分マリアのことがあるからなか?
「それじやあ私は先に乗るから。」
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