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口笛を吹きながらマリアを連れて馬場へと出て行った。
『こっちだって負けないからな。』と心に思いコンドルに騎乗する。
今日は軽く運動して動きを見た後に障害を跳ぶつもりだ。
コンドルは乗り手が邪魔するとすぐにへそを曲げる。
一度機嫌を損ねると暴れて手が付けられず、障害どころでは無くなるので、かなり神経を使う馬だ。
そろそろ障害でも跳ぼうかと思った時に……
跳ね出した!!
何に驚いたのかを調べるために見渡すと消防車が遥か遠くでサイレンを鳴らしているのが見えた。
「ホー、ホー、そんな事で暴れんなよ、大丈夫だって。」
「ブヒヒィィィ~~~~ン」
止まる気配がまるで無い。
『やばい!!このままじゃマリアまで暴れるかもしれない。』
案の定マリアも暴れ始めた。
「ちょっと、落ち着いて。」
「やばい。早く止めないと千春が落ちる。」
まだ幼い幼馬は人が落ちる事に驚いて更に暴れることもある。
そんなことから大怪我をしたり命を落とす馬乗りも少なく無い。
『よし、何とかコンドルは落ち着いた。千春は………?』
「きゃっ」
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